ゾイド考察:プテラス

戦歴考察
戦歴考察
 ヘリック共和国が開発した、同国軍を代表する航空ゾイドですね。
 惑星Zi初の本格的な航空ゾイドであるサラマンダーを、小型ゾイドにリサイズしたようなゾイドとなりますが――かなり優秀なゾイドであると言えます。
 初登場は第1次中央大陸戦争の初期。
 当時、旧世代的な制空ゾイドしか有していなかったヘリック共和国軍がシンカーに手を焼いて事から、サラマンダーをベースとして開発が進められたゾイドとの事。
 尚、明確にその目的を果たした戦場写真は無いものの、各種文面からその開発目的を十全に果たしたと明記されており――。
 以後、空戦、偵察、爆撃、長距離砲撃の弾着観測、艦載機運用等々、航空戦力が行う多種多様な任務の殆どに従事しました。
 こんなにも色んな事に手が出せるのも、VTOL方式が実在のハリアーみたいに無茶していないからこそ、ね。
 ……と言うよりも、ここまでリスクの無い垂直離着陸やホバリングが出来てしまいますと、兵種としては無敵に近くなってしまいますが。
 ヘリと航空機を足して「割ってない」ようなもんだからねぇ……。
 話を戻しまして――。
 対抗機としては、ゼネバス帝国で開発が進められていたシュトルヒが相当します。
 しかし、同機が本格的に量産されるより前に、ゼネバス帝国が中央大陸での支配領域を一時的に失ってしまった事から、1つの機種としては異例の長さの無敵時代を築く事になります。
 その期間、およそ11年――あまり知られてないけど、かなり凄い事実ね。
 とは言え、その圧倒的優位性もレドラーの登場によって一気に翳りを見せ――以後は直接戦闘を避け、支援に徹する描写となります。
 んで、第2次大陸間戦争時代まで行くと――。
 戦闘爆撃機として、違った意味で無敵時代を築いてるわね。
 ガイロス帝国軍がレドラーを運用している事から、へリック共和国軍がソレを上回る制空ゾイドを得るまでは肩身の狭い思いをしてましたが……。
 新鋭のストームソーダーやレイノスの再生産が行われた後だと、もうこのゾイドを止めるものは居ませんね。
 小型航空ゾイドとは思えぬ積載量を潤沢に使って地上目標を粉砕する空の悪魔……か。
 第2次の中盤以降では出番が極端に少なくなっていきますが、航空優勢を確保している状況下でこれほど優位に動ける機体は他に居ないでしょう。


防御思想
防御思想
 毎度の事ですが……航空ゾイドに防御力を求めるのはナンセンスです。
 最近航空ゾイドのネタが多いから困るよね〜。
 まぁ、強引にネタを作るなら――ゴドスとの部品共有疑惑の件?
 ……不毛な話ですね。
 形状が似てるからと言って、空戦機と陸戦機が同じフレームを使っている訳が無いでしょうに。
 重量に影響を及ぼさない消耗品――ゾイドをゾイド足らしめている共通間接(通称キャップ)以外の駆動部品でも部品の共用化が行われている可能性はあります。
 しかし、航空機と陸戦機では部材に要求する重量・耐久性に大きな開きがある事から、構造材にまで共有部品が使われている可能性は低いと判断します。
 ですが、仮にフレームを共通部品としていた場合……。
 プテラス基準で考えると「もっと軽く。当たったら基本お終いだから耐弾性は考えず、破壊される事で他に損害が波及しない部材を」となります。
 それに対し、ゴドス基準で考えた場合「強度に優れた素材を。通常機動でも多くの負荷を受け、加えて近接戦闘等も行う可能性がある事から衝撃に耐える粘りのある部材を」求められるます。
 ――まぁ、コスト重視の奴が決定権を有していたりすると、擦り合せて汎用部材仕込む可能性があると言えばあるけど……。
 プテラスが配備された頃、既にゴドスは大量生産された後であり……。
 加えて、この時点で既にゴドスは数押し戦術以外では運用が厳しい情勢でしたからね。
 そんな状況でプテラスにも考慮した部材に変更しようものなら、更なる性能低下を招いて陸軍が死ねるからねぇ……。


攻撃思想
攻撃思想
 ……さて、話を切替えまして――。
 航空ゾイドの華、攻撃部門です。
 このHP的には、装甲で盛り上がりたいんだけどね〜。
 いきなり水を掛けないの。
 ――標準武装は機首のバルカン砲(20mmか16mm)に背中の空対空ミサイル、胸部の選択兵装(機関砲か小型ミサイル)となります。
 んー、この仕様だとちょっと貧弱に思えるわね。
 レドラーが出る前の仕様は制空仕様ですからね……。
 現代の戦闘機のようなオーソドックスな兵装なのは仕方ないと言えます。
 最初期の用途は「シンカー狩り」だからねぇ。
 その目的を十全に果たした後、必要に駆られた事から第1次の頃は不明確なオプションで爆装していた様ですが――。
 制空ゾイドとしてのプテラスは、同機の主力兵器であるミサイルがレドラーに通用しなかった時点で殆ど終わりを迎えました。
 ミサイルに優しくない惑星Ziの環境下だからこその状況ですが……。
 そうなってしまった以降、制空戦闘機としての優位性を回復する事はありませんでした。
 ……しかし、第2次の中期頃――プテラスボマーという戦闘爆撃機仕様が正式化されました。
 装甲板が大絶賛しているのはこのボマー仕様ね。
 積載量(離陸重量)が高そうだとは思っていましたが……。
 まさかここまでの重武装が出来るとは思いませんでした。


補足事項
補足事項
 今までの話の中でもチラホラ言ってるけど……。
 この子の最大の売りは戦闘力なんかじゃなくて、とんでもなく高いVTOL性能だね〜。
 現代の攻撃機が兵種としてのヘリを完全に代替え出来ないのも、墜とされ易いと言われるヘリが戦場から居なくならないのも、全てはヘリに高度なVTOL性能があるからですが……。
 プテラスは戦闘機系に属しながらも、ノーリスクでヘリみたいな事も出来ちゃってるんだもんね〜。
 これは途轍もない脅威と言えます。
 強力な攻撃力(もしくは陸上ゾイドへの防空能力)を発揮する航空ゾイドを、目立つ上に整備も大変な滑走路無しで運用できる……。
 これは、上昇経路さえ確保してあげればジャングルの中からでも飛びたてたり、空母型ではない艦船の凄まじく狭いデッキに離着陸出来ると言う事であり――。
 それらから考えられる用途を考えると、利点が有り過ぎて目が回ります。
 第2次の頃の小型ゾイド系の冷遇は結構すごいから……主な例は第1次?
 有名な所ですと、長大な滑走路が無さそうな前線基地に大量配備されていたり、大規模改修を受けていないウルトラザウルス艦隊の艦載機を務めていたり……でしょうか。
 艦載機系で話題を広ると、空中空母(戦艦?)であるマッドフフライの搭載機もこなしていたわね。
 こちらに関してはレイノスが居るのにも関わらずの採用でしたので、プテラスの運用性の高さを物語る良い例になっていますね。


総合評価
総合評価
 堅実な設計を突き詰めた結果、とんでもない事になっちゃたゾイド……でしょうか?
 数ある特色も一つ一つはそうでも無い上、性能的にも辛うじて現代的って言うレベルなんだけどね……。
 さっきまで話していたみたいに、全部混ざると凄いんだね〜。
 同時期に作られたシンカーも相当ぶっ飛んでたけど……共和国もなかなかやるものね。
 兵器の設計思想ですと「堅実なへリック共和国、先進性のゼネバス帝国」と言えるのですが――。
 堅実過ぎると、ある意味超兵器と化す事もある、と。



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