ゾイド考察:デスザウラー

戦歴考察
戦歴考察
 帝国系の象徴ともいえる恐竜(ティラノサウルス)型の超巨大ゾイドですね。
 第1次中央大陸戦争の中期頃に鮮烈な初登場を果たして――。
 十数機(20〜30機以上の可能性もあり)ものゴジュラスを単独で殲滅(※)、デスザウラーにとって劣悪な状況下でのウルトラザウルスとの一騎打ちも策略ごと捻り潰し、単独で首都陥落を確定的とした子ね。
 (※)の補足〜。
 優秀なコマンド部隊の情報支援があってこそだよ〜。
 ↑の追加補足です。
 ――その状況を体験したいのであれば、アーマードコア・V系の鬼畜系シューティングorアクションゲームをやってみると良いですね。
 1人でやると、情報の有り難さが凄く良く判って――。
 かの少尉は優秀なオペレーターが3〜4人後ろに居るような状況で、何か何まで教えてくれる戦場だった筈ですからね……凄まじい戦果を出せる訳です。
 補足終わり〜。
 ――んで、それ以後4年間……地球由来の技術が成熟して来ていた頃という技術革新が著しい中で無敵を誇り続けた化け物ゾイドね。
 ……とはいえ、第1次の末期ともなってきますと専用の対策機であるマッドサンダーや装甲が対応していないタイプの兵装を持つガイロス帝国軍等に劣勢を強いられ、「殺り難い超大型ゾイド」クラスにまで身を落とす事になります。
 しかし、グランドカタストロフによって技術レベルが低下した第2次大陸間戦争において、デスザウラーは戦争終結の為の決戦兵器として復活計画が立案されます。
 この時はガイロス帝国の決戦ゾイド――というよりも、ネオゼネバス帝国建国の為のゾイドかな……。
 まぁ、そんな目的の為の重要戦力として再生産に向けた試みが試され続け――第2次大陸間戦争の末期、ようやく再生産に漕ぎ着けた訳ね。
 ロールアウトから57年も経っていますが、その総合力は健在。
 1体居るだけでも敵方に専用の部隊やゾイドを用意させなければ突破不可能な戦略兵器として、技術革新が著しい世の中でも十分過ぎる存在感を示しているゾイドとなっております。


防御思想
 
 装甲方式は、見ての通りの全身装甲方式。
 しかもかなりの重装甲と言われているわね。
 まぁ、装甲板(=このHP)ではそれでも最低限の装甲だったのだろうと思考していますが。
 ……こんなに厚そうなのに?
 兵器の装甲というのは、考えなしに厚くするのではなく仮想敵、想定状況によって選定されます。
 積載量が無限にあるなら別だけど、そんな訳にはいかないからねぇ。
 デスザウラーの場合ですと、AP系に関してはウルトラザウルスのキャノン砲(徹甲弾)を弾ければOK。
 そして、HEAT系はゴジュラスmkUの低反動砲が最大サイズですので、アレを防げればOK。
 最後のレーザー・ビーム系に関しては、ヘリック共和国軍側に該当する大火力は存在しませんでしたが……。
 恐らく、自国のアイアンコングmkUが運用するビームキャノンをどうにか出来れば良しとしたのでしょうね。
 その上で、増長性は……+20%ぐらいあれば十分過ぎるかな?
 ゼフィーの挙げた値は少々高過ぎな気もしますが……。
 そういった条件さえクリアしておけば、あとは重量やサイズの問題だけになります。
 荷電粒子砲等々、武装でも重量が嵩んでいる……というか、機動性に悪影響が出てしまっている程だから、装甲が想定している防御ラインは本当にギリギリの妥協点なんだろうね。
 ――でも、結果的には足りなかった、と。
 戦歴の通り、当初目的はクリアしていますので足りなかったと言うのは語弊がありそうですが……。
 第1次大陸間戦争時代は強烈なエネルギー兵器が大量に出回っていたので、上記の様な防御設計をしていた当初のデスザウラーでこれを如何にかしろと言うのは酷な話かと。
 第1次の頃は、第2次では希少過ぎて殆ど見掛けない巨大ゾイドがポコポコ片手間に墜とされるという異様な世界だったからねぇ……。
 生産・維持費とかを考えると恐ろしいね……。
 ヘリック共和国産の超大型ゾイドも同じ様な末路を辿っていますからね……グランドカタストロフ前の世界は本当に人外魔境です。
 ――あ、装甲に希少金属が入ってるって噂は?
 無いでしょうね。
 レーザー・ビーム系は現代では未知の領域ですのでコメントは避けますが――実弾系の場合、装甲は防御力を維持する為に一度攻撃を受けたらなるべく早くに交換する必要があります。
 機体が巨大な上に機動・運動性能も標準かそれ以下のデスザウラーは、一度戦闘状態に突入すれば敵弾がよく当たるのは確実ですし……。
 失ったら戦力が%単位で削られてしまう決戦ゾイドがそう簡単に墜とされたら洒落になりません。
 そういった経緯から装甲は頻繁に交換していたと考えられます。
 ――そんな機体の装甲が他のゾイドに回せないような希少金属だったりした日には――敵国に滅ぼされる前に財政破綻で滅亡しますね。
 つまりは、厚みや構造は違えど、アイアンコングとかと同じ装甲材料、と。
 恐らくは。


攻撃思想
攻撃思想
 色々な所でぶっ放されている代名詞、荷電粒子砲に目が行くけれど――。
 よく見ると、意外と全方位に考えらてるよね〜。
 流石はドン・ホバート博士の傑作ゾイドと言った所かしら。
 上から見ていきますが――頭部のレーザービーム砲は視線に連動した大火力と言う事で命中率・攻撃効率共にトップクラスの自衛火器と言えます。
 んで、右腕には帝国標準武装の1つである3連装の地対地ミサイルが付いてて、右腕の動きで射角を自由に変えられるから命中率が若干向上する上に応用も効きやすい。
 ――まぁ、左腕のセンサーは何でこんな所に精密機材が置いてあるか謎だけど。
 視線を下に移して――腹部の連装ビーム砲座は通常火器としての主砲、もしくは格闘戦時の補助としても使える優秀な砲です。
 横に振れないのが残念だけど、腹部回りの砲が高い攻撃効率を有するのはゴジュラスとかで証明済みだからねぇ。
 後方警戒兼オーロラインテーク防衛用の各種レーザー・ビーム砲群も、動きの遅いデスザウラーの死角を守るという中々良い仕事をしています。
 そして、最後の通常火器として16連装ミサイルランチャー……荷電粒子砲を使うまでもない様な、痒い所に手を届かせる程好い自衛火器が尻尾の付け根に内蔵されています。
 加重力衝撃テイルかます為の尻尾の先に、なんでレーザーサーチャーなんている精密機材が付いているのかは左腕同様謎だけど。
 ま、それはさて置き――そんな個別火器で対応できないような大戦力は荷電粒子砲で薙ぎ払ってしまえばいい訳だから……良い思想してるわね。
 大凡全ての状況に対応出来なければ、戦略兵器でもある決戦ゾイドにはなれませんからね。
 FCSか腹部に居る筈のサブパイロットは大変だろうけど……かなり考えられているわ。
 これらの複数の火力は、最低限のレベルでしか張られていない装甲の防御力をカバーする役割も果たしているんだよね?
 近接してくる大型ゾイド以上の敵機はゴジュラスすら軽々と持ち上げる(浮かせるレベルではなく、片手で頭より高い位置に230tの巨体を捻り上げる)程のパワーで接近させず、数で勝る中・小型ゾイドは頭部砲の命中率か荷電粒子砲の範囲攻撃で薙ぎ払う事で被弾を避ける。
 ウルトラザウルスが主砲にAPFSDSを採用したりしたら、流石のデスザウラーでも危険だったと思うけれど……。
 デスザウラーの方がウルトラザウルスよりも運動性性で勝り、かつウルトラが指揮を主軸とするゾイドだったから結局同機にAPFSDSなんて言う短・中距離徹甲弾は非効率であるとして採用されなかった。
 そんな要素が重なった結果、デスザウラーは無敵となったんだね〜。


補足事項
補足事項
 上記に記載した多種多様な機能を詰め込んだ皺寄せは全部足回りに来ており、戦闘ゾイドとして見た場合のデスザウラーの機動・運動性能は低くなっています。
 機動・運動性の低さ……それがデスザウラー唯一の欠点だよね〜。
 ですが、ヘリック共和国首都攻撃時のこの子の行軍速度は恐ろしく速かった。
 ――まったく、こんな手をよく考えたものよ。
 古今東西の常識として、大軍になればなる程補給や移動の手間で機動力が低下します。
 それは軽快な機動・運動性能も有するアイアンコング部隊であっても変わらず……単機種構築による電撃戦であってもヘリック共和国に防衛ラインを構築させるだけの時間を与えてしまった。
 では……もっと早く、電撃的にヘリック共和国の首都を落とすにはどうすればいいか?
 その結果が『数が足を鈍らせるなら、一人で全部出来る奴を突っ込ませればいい』――こんな無茶を考えた奴は一般社会で生きられない様なレベルの天才ね。
 本当に、よくもまぁ成功したものです。


総合評価
総合評価
 総括すると、色々な意味でゼネバス帝国を終わらせたゾイドね。
 上記のとおり、非常に強力なゾイドではありますが……。
 補足事項で述べた様に、戦闘ゾイドとしては鈍重な事から奇襲ではない正当な部隊運用を開始してみると機動戦を重視していたゼネバス帝国軍に通常戦闘を強要させる一因となり――。
 結果として同帝国はヘリック共和国の国力と真面にぶつかる羽目になった、と。
 まぁ、デスザウラーの目的は『ヘリック共和国の首都を陥落させる事』の一つに尽きますので、ソレを達成した同機にそれ以上の事を求める事自体が少々酷とも言えますが。
 優秀過ぎる機体も考え物、と言った所かしら?
 後続が作られませんからね……。



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