ゾイド考察:サイカーチス

戦歴考察
戦歴考察
 ゼネバス帝国製のカブトムシ型ゾイドで――空対地攻撃のスペシャリストね。
 初登場は第1次中央大陸戦争(旧バトスト)の中期頃。
 両国にとっての要衝であった巨大な橋の攻防戦の最中、渡河奇襲を仕掛けようとしたヘリック共和国軍部隊を単機で殲滅したのが確認出来る最初の活躍となります。
 後で話すけれど……成功したから良いようなものの、この時は結構無茶してるんだよね〜。
 ……まぁ、夜襲(奇襲)の上にパイロットがゼネバス帝国きってのトップエースさんですからね。
 ま、実の所は薄氷の上の勝利だったとは言え、単独で敵部隊を壊滅させた空対地攻撃能力は折り紙付き。
 活躍している場面は少ないけど、ゼネバス帝国の有用な戦力として活躍した筈よ。
 しかし、他の優秀なゼネバス製ゾイドと同じく、その性能を以てしてもヘリック共和国との国力差を埋める事は叶わなかったのが実情となります。
 最後の確認出来る写真は……輸送物資を満載すると言う用途外甚だしい使い方され、対空機関砲仕様のカノントータスに叩き落された所で、第1次中央大陸戦争の表舞台に現れなくなります。
 性能は結構とんでもないんだけどね。
 出番は少々地味ですが、小型ゾイドにスポットが当たらないのはバトストにはよくある事ですね。


防御思想
防御思想
 特殊用途型ではありますが、一応飛行ゾイドですからね。
 ……装甲による防御力は期待できません。
 某漫画で携帯式の対空ミサイル(恐らく熱源誘導)1発で叩き落されてたからねぇ。
 まぁ、アレはシールドライガーと言う囮が居たからこそできた芸当ですが。
 そうね。
 ――普通だったら複合センサーユニットで探知され、小口径荷電粒子ビーム砲(小口径加速ビーム砲)の低出力・微拡散モードとかで撃つ前に蒸発させられるかしら。
 ひぇぇ〜。
 ま、判りやすく言えば――実在兵器の『戦闘ヘリ』みたい在り方のゾイドね。
 コックピットは露出していますが、機体自体は(飛行高度も考慮すれば)小銃や簡単な対空機銃系をギリギリ防げる筈であり……。
 狙いを付けるのが大変な大口径火器やなんかは撃たれない位置取りを徹底する事で対処するのが常道でしょうか。
 ……大気成分の関係からレーダー誘導系の射程・命中率がよろしくない惑星Ziの状況が欠点である防御性能を補っており――結構優秀な生存性を有していますね。
 言い方を変えると、本格的な対空兵装(直接照準型とか散弾系)に狙われたら諦めろ、って事ね。
 現実は非常です。
 さっきプリゼアが話しかけた、渡河中のバリゲーター部隊を殲滅した時の話も――。
 もしも渡河中の部隊が接近を早めに察知し、対空ミサイル(素体の形状から恐らく熱源誘導)を起動させていたら……サイカーチスが1〜2体のバリゲーターを沈めた所で撃ち落とされていたでしょうからね。
 躱したり迎撃したりする能力は本当に限定的だからねぇ……。 


攻撃思想
攻撃思想
 この項目が、この子の本懐 ね。
 他はダメダメだけどね〜。
 まぁ、小型ゾイドに大型ゾイドと比肩するような火力を実装していると言えますからね……。
 流石にそれ以外の性能は低下しますよ。
 ――んじゃ、説明ね。
 フィーエル。
 該当機は非常に強力な兵装を2種類装備しております。
 1つは該当機の代名詞である近接地上掃射の際に使用されると推察される、2門の小口径荷電粒子ビーム砲。
 こちらは威力・射程共に通常の小型ゾイドが使用する射撃兵装と同程度の兵装であると推察できますが、上空からの射撃、かつ陸戦型とは比較にならない機動・運動性能によって非常に高い命中精度を誇っております。
 こっちなら反撃のタイミングはあるだろうけど、通常の陸戦ゾイドの対空性能は結構貧弱だからねぇ……。
 迎撃しようとする前に撃破されちゃうから……ず〜とサイカーチスのターンなんだね〜。
 もう1つは、該当機は通常の小型ゾイドとは一線を画する、非常に強力かつ長射程な兵装である対ゾイド20mm2連装ビーム砲(長射程ビーム砲(2連))を装備しております。
 上記の地上掃射の際にも本兵装は併用されると推察出来ますが、本兵装は該当機の優位性を更に向上させる特異な装備であると思考します。
 素体が昆虫型ゾイドである事から、基本戦術は待ち伏せだと思うのですが……。
 この装備がある事で狙撃も出来ちゃうんだよね〜。
 ヘリック共和国軍が『大型ゾイド以上にサイカーチスを恐れる様になった』って言う一節も……。
 敵が長距離砲を装備した大型ゾイドであっても、同じ陸戦機だったら機動力も似たり寄ったりだから、先に察知すれば逃げおおせられる可能性があるんだけれど――。
 サイカーチスの場合は機動力が圧倒的に上だから、同じ長距離砲持ちでも余裕で背中から撃たれるのが原因だからねぇ。
 逆に破れかぶれで接近戦を挑んでも勝てないのは一緒。
敵側からすると、詰んでるね〜。
 昔のへリック共和国は――強引に一言で纏めると、数押しでゼネバス帝国を轢き倒しましたが……。
 他にも精鋭ゾイドが居る事も考えると、その道程は中々に死屍累々だったでしょうね。


補足事項
補足事項
 キャパシティーが厳しい小型ゾイドに小口径荷電粒子ビーム砲(2門)と対ゾイド20mm2連装ビーム砲という大火力兵装を2種類も付けてる訳だから――まぁ、運動性能は壊滅的ね。
 運用目的が優位な射撃位置(主に上空)からの攻撃により、鈍重な陸戦ゾイドに多大な損害を与える――ですからね。
 端まともな戦闘する心算が無いですから、回避も入れた防御性能は期待できません。
 ま、その辺は昔の戦力評価図通りね。
 プテラスやレイノスに会ったら墜とされるの確定〜。
 ……いえいえ、実は裏ワザがあるんですよ。
 …………はえ?
 確かに、平地や岩山、水辺と言った隠れる場所が無ければ、どうやっても蹂躙されます。
 これは恐らく元ネタのヘリと戦闘機との関係そのままですね。
 ……ですが、サイカーチスの素体は虫。
 もしも襲撃された場所が森林地帯だった場合、そこに急降下(着陸)して巨木の中に紛れてしまえば航空ゾイドは手出しが出来なくなってしまいます。
 なるほどね……どうやっても『航空戦力』のジャンルから離脱出来ないヘリ(着陸には開けた場所が必要)とはその辺が明確に異なるか。
 クラスター系とかナパーム系で隠れている木々共々纏めて殲滅出来ればいいのですが……。
 制空仕様(※)の航空ゾイドに対地攻撃用装備は少なく、逆に長射程の砲を持つサイカーチスは上手く隠れた対空砲へと早変わりします。
(※)の補足〜。
 制空仕様とかと言うよりも、戦闘機・攻撃機は事前に決められた既定のミッション用+自衛用の装備しか積んでいないのが普通だよ〜。
 つまり、襲撃する所も選ばないと――。
 狩る側が狩られる方へと反転しかねないという事です。
 こういった経緯がある事から、ヘリック共和国は類似目的の機体でありながら、対サイカーチス戦を重視したダブルソーダーを開発したのだと推察しました。
 上空の機体を叩き落す航空機と着陸した機体を撃滅する高速陸戦機との2段構えなら安全に殺れなくもないですが……共同作戦はいろいろと面倒ですからね……。


総合評価
総合評価
 防御力は欠片もありませんので乗りたくありませんが……。
 良いゾイドですね。
 一芸に秀でたものは、何であっても凄く愛されるという良い例かな?
 一撃離脱とかが最強の戦闘方法らしいからね〜。
 このゾイドの場合、離脱は出来ないから――敵が居なくなるまで撃ちまくる、が正しいけどね。
 でも、凄いゾイドなのに後継機いないんだよね〜。
 完成され過ぎているのがある意味問題ね。
 火力は第2次大陸間戦争終結までならこれで十分であり、防御力はそもそも必要なく――機動・運動性能に関しても、火力が通用する状況であれば無理に向上させる必要はない。
 待ち伏せ等に影響する隠蔽性や稼働時間に関連する燃費も虫系のゾイドコアである事から良好、機体サイズの小ささ(=部品点数の少なさ)から整備性も高い。
 ――該当機は、要求性能に対して問題が1つもない機体であると思考できます。
 ……新型機の開発には、とても多くのお金が掛かりますからね。
 問題なく使えている機体を拡張するする余裕は惑星Ziには無い、と。
 優秀過ぎるが故に、後継に恵まれ無いと言うのは全ての兵器に共通する事でしょうか。



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