ゾイド考察:セイバータイガー(サーベルタイガー)

戦歴考察
戦歴考察
 本機は第1次中央大陸間戦争(旧バトスト)の初期から中期頃の間に登場した、史上初の大型高速戦闘ゾイドとなります。
 大型ゾイドの機体出力に寄った大火力とこの機種特有の機動力を組み合わせた戦闘方式は、火力と防御力、そして数のみで表されていた戦場に機動戦と言う革新を齎しました。
 その戦歴だけを取ってみても、傑作機と称せる事実になるよねー。
――その流れは第2次大陸間戦争(新バトスト)の中期以降に最盛期を迎え、作中では本機が礎を築いた機動戦が良く描写されるようになっていきます。
 また、後発の対抗機となるへリック共和国軍のシールドライガーも本機を原型として開発されている事から、全ての大型高速ゾイドの始祖とも言えます。


防御思想
防御思想
 アイアンコングよりも後に開発されたゾイドである事から、厚さの違いはあれど外装は同種の複合装甲で構築されていると考えられ、それを全身に配した全身装甲方式を取っている事から高速ゾイドとしては極めて高い防御力を有していると考えられます。
 HPの関連上で度々言っているように、その防御思想はどうやっても回避の難しい小口径弾は装甲で防ぎ、装甲で受け止めるのが困難な大型砲の類は機動・運動性能で回避するという、とても理に適った構築なんだよねー。
そして、その優位性が際立つのは『幅広く運用出来る』の一言に集約でき――。
要点装甲方式が祟って側面急襲か対少数戦闘しか安全にこなせない他の高速ゾイドとは異なり、本機はやろうと思えば正面突撃も実施する事が可能となています。
まぁ、出来るのと得意なのは違うから、高速ゾイドの十八番である側面攻撃に徹しさせた方がいろんな効率はいいけどね。
――そんな感じで装甲板の中では大型高速ゾイドの決定版として扱ってるんだけど……純粋な後発機が居ないんだよね〜。
恐らくですが、完成され過ぎているという事実が後発機の開発を遅らせたのでしょう。
ライトニングサイクスはヘルキャットと同様に全身装甲方式を継承したけれど、何を血迷ったのかライガーゼロは要点装甲方式に移行しちゃったからね。
 火砲の進化により「当たったらどうせお終い」がトレンドになっていたのも事実ですが……寂しい話である事に変わりはありませんね。


攻撃思想
攻撃思想
 対ゾイド30o2連装ビーム砲を主砲としつつ、格闘支援の3連衝撃砲に帝国軍の汎用火器セット――前方と後方を警戒する小火器群と3連装ミサイル――を装備する事により、高速ゾイドとしては破格の武装数を有しています。
まぁ、AEZ20oビームガンとかTEZ20oリニアレーザーとかは使用条件が主砲と被ってたり、そもそも余分じゃね? と思うときはあるけれどね。
上記のように思う所が無い訳ではありませんが、適度に強力な火器と強靭な爪牙の組み合わせは機動・運動性と火力との最大公約数を得る為の最適解であり、第1次中央大陸戦争初期の驚異的な戦果はこの事実に裏付けされた当然の帰結であると言えます。
爪牙が有効打足り得るのは大型ゾイドの特権だからねー。
なお、ゴジュラス等の格上の主力ゾイドの挑むのは多大なリスクがありますが、機動・運動性が高いと言う事はコックピット等の被弾即死箇所や関節等の被弾危険個所を狙える可能性が高い事を示しております。
 よって、偏重的な全身装甲を配している様なゾイドでなければ、いかなる機体に対しても勝利を得られる可能性があるといえます。


補足事項
補足事項
 帝国軍の汎用武器セットの関係で地味に応用性(索敵系含む)にも富んでおり、隙がありません。
元々の素体が持っている分解能を利用した耳と鼻がかなり高性能なセンサーにもなってるからねー。
 あと、これも素体の恩恵だけど……夜目が効くから全天候型だったりもするんだよね〜。
高い攻撃性能を有しつつ、索敵能力も高い――それでいて生産性も悪く無いのですから、脅威としか言いようがありません。
あ、そだ。ここでしか言う所が無さそうだから言うけど――某HP内の小説でライバル機としても運用された『ザ・スナイパー』仕様はどうなの?
……なかなか難しいですね。
迅速に狙撃地点に到達でき、かつ火力も高く離脱も容易なゾイドが有効なのはケーニッヒウルフ・スナイパーでも実証されていますが……数で劣るゼネバス帝国軍が運用するにはパイロットへの要求技量が高過ぎると考えられます。
そもそも前線運用する機体も足りていないのに、支援型に転換されて引き抜かれたらたまったものじゃないからねー。
あ、因みにそのままの仕様(=重量も増えた上に取り回しも難しくなった)で前線運用するのはウルトラエースくらいだから、彼らはいろんな意味で数から除外ね。
人員の多いへリック共和国軍みたいに狙撃専門チームを作れたら脅威度はとても大きくなるんだけど、『前線で活躍しろ、狙撃支援もしろ』を求められるとエースパイロットが何人いても足りないもんね〜。


総合評価
総合評価
 総合評価としては、優秀過ぎた傑作機と言えます。
そして――それ故に後継機に恵まれず、後々に新鋭大型高速ゾイドに良いように切り刻まれ、容易く踏み潰される憂き目に遭うのも当然の帰結であったと思考します。
なお、共和国軍側から見ても、帝国軍側と比較して練度で劣るのが明白な以上、性能で勝るゾイドを用意する必要があった事から対抗する事に特化したゾイドを造らざるおえなかったと思考する事も出来ます。
他には、ソコソコかそれ以上に強いのに生産・運用コストが高くなく、またゲリラや民兵でも扱える事から操作性も悪く無い。
そう言った項目が指摘されてない事からの予測だから、実際には違うかもしれないけれど――。
そうじゃなかったらあんなにも多種多様には使われない筈だからねー。
……CGの使い回しが楽だったのかもしれませんが。
うわー、言っちゃいけない事言っちゃたー!
まぁ、後発対抗機のシールドライガーが色々尖り過ぎて使いにくいのに比べたら、はるかに実戦的なゾイドである事は確かかな。



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