機体考察:レイビーズウルフ

 ヘリック共和国製のオーガノイドシステム(OS)運用実験機、レイビーズウルフの考察を開始します。
 見た目は「大砲を背負った風変わりなコマンドウルフ」だけど……この子もやっぱり色々凄いの?
 色々と問題はありますが……性能は良い機体ですね。
 シンプルで扱いやすそうだしね。
 ――フィーエル、説明。
 了解しました、ゼフィリア。
 ロールアウトしたのはZAC2100年頃――比較的保存状態が良好であった古代ゾイド人の遺跡が存在したオリンポス山での戦闘の結果、ヘリック共和国にも本格的なOS技術が持ち込まれ、その運用方法が模索され始めた年代となります。
 尚、ヘリック共和国でもこの技術導入以前からOSの研究は行われていたのですが(※1)、同遺跡で運用されていたものは“生きていた”(※2)為、これを切欠にヘリック共和国でもその運用技術が急速に発展して行きました。
 ※1の補足だよー。
(ぽっと出の遺物がいきなり実戦投入されるなんて事、普通は有り得ないんだよー)
 続きまして、※2の補足になります。
(本HPでは、OSを、『多種多様な情報』や『物体の変性機構』を内包したナノマシン群体(=構築物質はゾイドコアと同じだが、構造は大きく異なる)であると想定しており、“生きているもの”は複製は容易となります)
 しかし、早くから“生きているもの”を研究していたガイロス帝国がOS搭載専用機(ジェノザウラー等)を開発できたのに対し、後発となったヘリック共和国は大きく水をあけられてしまい、ゴジュラスやシールドライガー等の主力大型ゾイドを転用する形での実戦投入(※)となりました。
 またまた補足ー。
(ヘリック共和国が誇るOS搭載型の最高の空対空戦闘ゾイド、ストームソーダーは元々ガイロス帝国系の機体だよ〜)
 そして、考察対象もその1つ――ブレードライガーの完成後に計画されたOS導入計画(表だった成果として有名なのはゴジュラス・ジ・オーガ)に沿って製造されたものと予想されます。
 なお、考察対象が開発された頃、OSは未だにまだ良く判らない代物であり、その能力を試す意味合いもあったと考えられます。
 詳細は後で述べるけど、結果は上々。
 安価なシステム導入だけでゾイドコアの出力が跳ね上がり、その出力頼りの高負荷装備を満載する事で安くて結構強めなコマンドウルフができあがった、と。
 まぁ、調整もなにもしていない重OSなので、乗れる人が極端に少なくなってしまいましたが。
 そういえば、スラスター関係が追加されていないに、OSを導入しただけで50km/h位最高速度が上昇しているんだよね?
(注:武装の後ろにある物は放熱&外部粒子吸入口と判断してるよー)
 OS機体出力の向上を鑑みれば、不可能ではありませんが――少々無茶をしている可能性はあります。
 え〜と……。
 他の考察で何度か言っているみたいに、足が飛んじゃう……とか?
 ――それは外部推力頼りの機体に発生する問題です。
 考察対象に置いては、重OSの能力を見越した上での限界運用です。
 ???
 ――言い易くしますと、、設計値を超える構造的な負担を、重OSの苛烈な再生能力(代謝)で補っていると言う事です。
 ………… う〜ん。
 手足が折れる位の力で走れ。大丈夫、構造体の負荷限界を超えてクラック入ってもすぐにOSが回復してくれる。
 ――だから死力を尽くして走れ(強制)。
 ……みたいな感じ?
 …………。
 ――――。
 なお、装甲が追加されている事からも判る通り、体当たりと言った機体出力を十全に発揮できる攻撃手段も考慮していたと考えられます。
 コマンドウルフ系の口は小さいから、他の高速ゾイドなら必殺武器になる牙の一撃が即死兵器にならないからねー。
 こういう単純で威力の高い一撃はかなり助かるよね。
 元々、コマンドウルフは集団での射撃戦を主軸とし、格闘攻撃は対弱小用の補助武器ですからね。
 決定打に欠けるのは仕方ないかと。
 でも、決定打と言えばこの子は凄いの積んでいるよねー。
 プラズマキャノンですね。
 生産数が尋常では無く、積載量が多い上に拡張性も高いコマンドウルフは色々な実験に付き合わされるゾイドですので、この兵装もOS共々実験装備だったのでしょう。
 尚、本HPではプラズマキャノンと種別を同じくする『プラズマ』系兵装はアーマードコア4系と同じ仕様を取っております。
 高い熱線系のエネルギー兵器(ビーム系の類似品)であり、弾速は遅めだだけど着弾時に電磁波バーストによる索敵妨害を発生されるアレだね〜。
 ちなみに、まともなレーダーは多くの電力を消費します(※)ので、単純な索敵機構した装備していないであろう第2世代以下の陸戦ゾイドに対し、プラズマキャノンが着弾時に発生させる上記のECM効果は尋常ではない効果を発揮すると予想されます。
 (※)の補足〜。
(それこそ主兵装クラスのエネルギー兵器枠を1個潰す位だよ〜。……小型ゾイドなのにあんなに詰め込めたガンスナイパーはヘリック驚異のメカニズムだねー)
 それこそFCSにまで影響し、ロックオンすらまともに出来なくなって無力な的になる可能性がある、と。
 そして、これだけ大型のユニットであれば威力も期待できると考えられ――開発当時の情勢であれば、火力の方も申し分なかったと推察できます。
 なお、中型ゾイドがこれだけの火力と特殊効果を保有できるのは驚異の一言であり、量産は考えた筈ですが――。
 OSを付加させたりしないとプラズマキャノンを起動させるだけの電力を確保出来ない、しかし、そのOSは付与自体は安価ですが運用させると操作性が異常低下する上にランニングコストが激増する。
 そして、更に言葉を重ねれば、大出力ジェネレーターやプラズマキャノンが発生させる排熱はコマンドウルフの特徴である隠密性を低下させてしまう。
 ――そういう経緯によって、計画は中止されたと推察します。
 まぁ、ついでに蛇足をすると……プラズマキャノンが発生させるECM効果は、レーダー系に頼らない感覚素子で周辺状況を把握するコマンドウルフは問題にはならないのですが……。
 他の味方にとっても迷惑この上無い筈ですからね。
 ECMはゲームみたいに敵側だけじゃなくて無差別だからねー。
 配置や作戦をよく考え、レーダーを頼りに戦う味方と一緒にならない様にすれば問題にはならないのですが――どうやら、そういった様々な欠点も問題になったようです。



戻る inserted by FC2 system