機体考察:カンプトスGC

 北方大陸に存在するとされているデルタス王国が運用している大型ゾイド、カンプトス――その強化型の考察を開始します。
 いきなりだけど……漸く貧弱な主砲が使える品になったわね。
 ……酷い言いようですね。
 いやいや、あの仕様も対弱小には有効なのは確かだけど――車に例えたら、10tトラックでピクニックに行くようなもんでしょ?
 …………まぁ、確かに積載量を生かし切れてない事は確かですが。
 それに対して、どうよこの重武装。
 ……まぁ、その通りですね。
 高速ゾイドに大型兵装を幾つも施すのはナンセンスと言えますが……。
 機甲師団系の主力ゾイドは火力(もしくは装甲)一番、その他普通が最適解ですので、とても良好な改造ゾイドと言えます。
 でも、凄いのは火力だけ〜?
 他にも見所はありますよ?
 長射程キャノン砲が低反動砲か無反動砲だったりする所とか。
 んー? 名称だと長射程って言ってるけど、その2種類って射程が伸びないんじゃなかったっけ?
 ……あれ?
 長距離砲なのに?
 砲塔の後ろに反動逃がし用の穴が4つも付いている事からの予測ですが……。
 まぁ、弾種が榴弾かHEATだったら弾速は関係ありませんからね。
 んー……。
 ちなみに、投射物の影響を受けない事を判りやすく説明すると――まず、HEATのゴジュラス用バスターキャノンの弾を用意。
 んで、ソレをフィーエルが目標の目の前で持ち上げてぶつけても、バスターキャノンで撃ち込んでも威力(効果)は同じって訳。
 ……あの細腕で、1t近い砲弾を持ち上げられるのですか?  
 惑星Ziの地表でなら、ギリギリ可能よ?
 …………。
 …………話を戻しまして――。
 デメリットはソレですが、後付けの場合にはメリットが2つあります。
 まず、重量が比較的軽くて済む事から、搭載に無理が効く事。
 もう一つは射撃反動が皆無か低くて済みますので、接地安定性が弱い機体でも載せられる事ですね。
 カンプトスの場合、両方とも接続部が貧弱(本来、無反動のレーザー砲だったジョイントに繋がっている)な事が起因していますが……。
 それを考慮した上で低反動系を採用したと考えられますので、とても理に適っています。
 本機の接地安定性は結構高そうだから、まともな重砲を積めないのは勿体無いけどねー。
 続けて、荷電粒子ビームガトリング砲ですが……。
 先の搭載部位問題はこの武装でも被っていますね。
 小型ビームガトリングの代わりにこんなデカいの載せてるんだもんねぇ。
 その上、上記小型兵装は俊敏に動くのが売りでしたので――動作機構は油圧とかではありませんので、まず確実にモーター系です。
 んで、モーター系は俊敏に動くけどトルクが無い、と。
 技術次第では出せない事もないですが……大胆に油圧系に換装している事も考えられます。
 ま、問題はそんなもんだけどね。
 ガトリング系も反動は中々凄いですが、重砲程ではありませんし……本機の接地安定性を持ってすれば余裕で抑え込めるレベルでしょう。
 撃つのも弾丸じゃなくて荷電粒子系のエネルギー弾だから、反動が少ないかも知れないしね〜。
 その威力に関しても――外部のオリジナル展開以外で粒子砲対策をしているゾイドは、シールドライガー等のEシールド持ち、もしくは凱龍輝やレイズタイガーといった集光パネル搭載機だけですからね。
 中距離以内だったら中々凄そうね。
 しかも仮想敵国のトルヴォス国のゾイドはガトリング系にめっぽう弱い要点装甲方式ですからね。
 レーザー・ビーム対策の度合いは不明だけど……対応が弱かったら、バタバタなぎ倒せるわね。
 端的に言うと、視界が通る場所では絶対に遭いたくありませんね。
 問題はガトリング系特有の空転時間が有るのか無いのか、有るとしたらソレがどの程度か……。
 その上砲身挙動が俊敏とは言えなそうなのも引っ掛かるけれど……更地ならトルヴォス国のゾイド群を血祭りに挙げられるでしょうね。
 激変した武装とは対照的に、防御思想に関しては通常型と同じような感じですね。
 ガトリング系の近・中距離火力が増した事で『接近したくない=撃破し難くなった』が成立したから、生存性は通常型とは比較にならないっぽいけどねー。
 次に移るよ〜。
 機動・運動性ね。
 通常型より若干低下しているようですが……この仕様であれば、問題になりませんね。
 もともと機動力や運動性を売りにしているゾイドじゃなかったもんね。
 むしろ、長距離砲を装備した機動砲台が180km/hの高速で展開して来る事の方が脅威ね。
 見た感じの外部カートリッジ式の給弾方式ですので、ゴドス等の給弾専用の随伴機が欲しい所ですが……。
 まぁ、彼等小型ゾイドも同じような速度ですから問題にならないのでしょう。
 でも、通常型と比べて運用特性は激変してるよね。
 通常型が対小型・対人重視だったのに対し、この仕様は対大型ゾイド戦も含めた射撃・支援の対ゾイド戦仕様ですからね。
 装甲や機動・運動性が心許ないのが重なって、従来型が得意としていた弱小勢力にぶつかるとサクッと落される(※)可能性が高いから護衛が必須になる訳だけど――。
 (※)の補足〜。
 対小型ゾイドだと、角火器の射角があまり広くない上に動き遅いから死角を取られて一方的に終了。
 対人でも逃げる足は有るけれど視認性が低くなってたりするから察知・迎撃する前に無反動砲撃ち込まれるリスク激増。
 従来型が手を出せなかった大型ゾイド群に殴り込めるようになった事実は、現場の人間からしたら有り難くて号泣する程でしょうね。
 複座である事も、まだデメリットにはなってないもんね。
 小型ビームガトリングが無くなった影響で必須ではなくなった訳だけれど……。
 攻撃に集中しなくてもよくなった分、索敵や指揮等に力を入れられる様になったんだよね〜。
 ま、元から出来る子の様なポテンシャルがあったけれど……。
 ソレが凄まじく開花したゾイドと言えますね。
 ――あ、でも荷電粒子チャージャーですんごいエネルギー食ってるから、行動半径は低下してるよ〜。
 何も最後に言ってミソを付けなくても……。



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