機体考察:カンプトス

 北方大陸に存在するとされているデルタス王国が運用している大型ゾイド、カンプトスの考察を開始します。
 ヘリック共和国の影響下にあるZOITECが生産元である事から、同共和国でも運用されているゾイドのようですね。
 共和国でも使っている理由は後の方で詳しく書くけど……中央大陸も山地が多いからねぇ。
 旧式機、2線級の機体や格下(文面を総括すれば)とか色々言われているけど……装甲板の評価はかなり高いんだよね〜。
 ……では、本格的に始めましょうか。
 装甲方式は機動・運動性能を重視した要点装甲型との事。
 ヘリック共和国の流れを汲んでそうだから、この国のゾイドだけがその方式だったりしたらソレで済んだんだけど……。
 デルタス王国の仮想敵国と思われるトルヴォス国の アロジェノスも同じ要点装甲型を採用している事から、別の要素があると思考しました。
 手っ取り早く結論から言うけど、北方大陸の環境が装甲の優位性を低下させていると予測した訳ね。
 山脈が多いのか、巨木が多いのか――。
 はたまたひどい荒地が多く、巨石に溢れているのか……。
 とにかく、戦場に遮蔽物が多くて装甲よりも踏破力が高くないとやってられないから、交戦国の両方で要点装甲型が採用されているという仮説を立てた訳ね。
 トルヴォス国の旧型って言われている ジェノヴェナトル からアロジェノスに至った流れも、それで説明出来るもんね〜。
 ……話をカンプトスに戻しまして――フィーエル、続きを。
 上記の通り、装甲よりも踏破性を重視していると思われますが――。
 考察対象はそれと同じ位に汎用性、厳密に言えば積載力に重きを置いていると見て取れます。
 基本姿勢が4足で、射撃安定性や射撃反動抑制を重視しているみたいだからね。
 後年だと、輸送ゾイドに転向出来るぐらいだもんね〜。
 それに対し、近接戦闘などの運動性能を要する場合には2足とする事で安定性を低下させ瞬発力を向上させる。
 大掛かりな変形機構無しでモードを変更出来ると言う事は、運用性の面で優位性が発揮出来る事から、中々に画期的であると思考します。
 とは言っても、格闘兵装を積んでいる訳じゃないから過度な接近は止めた方がいいけどね。
 立ち上がっちゃうと、主砲の射角も取れなくなっちゃうみたいだもんね〜。
 さて、そのまま武装――攻撃系の流れに移りますが……。
 ……貧弱だよね〜、主兵装。
 この仕様での主砲は連装式のレーザーキャノンが2門となっていますが――。
 光学兵器だと曲射が出来ないし、惑星Ziだと射程も伸び難い。
 ……確かに、これだと一撃必殺系を重視しているジェノヴェナトルやアロジェノスには勝てないわねぇ。
 積載量を生かした仕様も有るらしいですが……。
 恐らく、考察対象がロールアウトした頃の仮想敵は、この火力でも十分な敵機しか存在しなかったと思考します。
 特殊配置型の小型ビームガトリングなんて言う野心的な装備も有るからねぇ。
 生産数も多い様ですし……恐らくとなりますが、北方大陸での無敵時代を築いた頃もあったのでしょうね。
 ん〜……。
 この子の小型ビームガトリングってそんなに凄いの?
 「凄い」つーよりも射撃用コックピットと併せて「面白い」というのが正しい所かな?
 周知の通り、惑星Ziは電波の通りが悪い事からレーダーやIFF、FCSの調子がよろしくないんだけど……。
 その状況下で、「迅速」に「低コスト」で「正確な敵味方識別」を実現出来るのが複座な訳。
 単座の場合ですと、高度(高価)な電子制御の支援があってもこんな攻撃範囲が広い兵装は持て余してしまう筈ですが――。
 複座なら片方の人員が攻撃に集中できるから、とてもよく動くなんて言うこの特異な兵装の能力を十全に発揮出来る訳。
 そんな訳で、レッドホーンのような小型ゾイド殺しなんかも得意中の得意なんだろうけど……攻撃可能範囲がとても広いから対人戦もイケるかもしれないのよね。
 へリック共和国軍が採用したのも、その辺が起因しているんでしょうね。
 中央山脈エリアでのゲリラ掃討とかで使えそうだからねぇ。
 でも、この子の装甲範囲だと、無反動砲が怖いから積極的に狙うのは避けた方がいいのかな?
 複座は現代の攻撃ヘリと同じ様に優れた攻撃様式な訳だから、その辺は使い方次第ね。
 あとは――。
 転用品を使ってまで対空砲を満載してるけど……そんなに空が怖いのかな〜。
 北方大陸の気候条件から飛行ゾイドが高々度を飛び難いのか、デルタス王国の仮想敵国がまともな飛行ゾイドを持っていなかったのか……そのどちらかでしょうね。
 あ、そっか。
 積んでるの、高々度まで届かない小型砲ばっかりだもんね〜。
 尚、転用品を使う事は性能の劣化を意味しません。
 デルタス王国って、戦力としてゴドス系も使ってるみたいだからねぇ。
 部品共有率が上がれば、運用コストが低下します。
 運用している総数が多いなら、微々たる物でも総額は絶大な値になりますからね。
 次の項目に移るね〜。
 最新の情報ですと、デルタス王国はヘリック共和国系の同盟国との事ですので……当初の仮想敵は帝国系でしょうか。
 オーソドックスに行くと、大型ゾイドはレッドホーンやアイアンコングだけど……この装備だと、ぶち当たったら目も当てられないわね。
 機動・運動性能に優れる大型ゾイドでありながら専用の格闘兵装を持たず、火器も軽装の中型か小型ゾイドの駆逐に最適な砲が主体ですからね。
 土地の資源が多いみたいだけど……それだと何故侵攻しなかったガイロス(ネオゼネバス)帝国(※)、になっちゃうのよね。
 珍しい事にかなり遅めに始まる(※)補足〜。
(軍備も無く、後ろ盾もない資源国等ただのエサ。安全保障は大事だよ〜)
 ヘリック共和国は大国と認識出来ますが、2100年代の動乱期には他国に影響力を及ぼす余力が無い期間も有しております。
 それだけグランドカタストロフの被害が大きく、暫くは見向きもされずに済み……動乱期には最低限の軍備(※)が揃っていたと言う事なのでしょうね。
 そして連続で(※)の補足〜。
(例え戦力は弱くとも組織化された軍隊はソレだけで侵略の障害に成り得て……程度は有るけれど抑止力足りえるよ〜)
 ま、直接戦闘能力は低くても、地の利とソレを最大限に生かす機動・運動性能があれば補給路を徹底的に叩くとかのやりようが有るからね。
 私の趣味じゃないけど。
 動力系が第1世代機に近そうだから燃費がトンデモなくて――その上にコンテナ系(エネルギーマテリアルタンク)も背負ってる訳だもんね〜。
 小型ゾイドと連携した長距離奇襲作戦や遠方の揚陸地点に対する急襲を実施された場合、侵攻側は洒落じゃ済みませんからね。
 他にも、例の別バージョンが実装されたりしてれば、情勢は一気に激変するんだけど……それはあとのお楽しみね。 



戻る inserted by FC2 system