機体考察:アサシンパンサー

 アサシンパンサーの考察を開始します。
 何と言うか、尖った機体よねー。
 ……もしかして、近接大好ーな私好みのあの某ファクトリーと同じ考えの人達?
 考察対象は プレデクター と同じように装甲を捨てて機動・運動性を特化させた仕様ですが――。
 開発メーカーであるB−Crocは特化思想とは真逆の汎用的な ジェノヴェナトル も生産している経歴があります。
 ……理に適った柔軟な思考が出来るメーカーなのか、メーカー内で派閥争いがあるのかはまだ判りませんね。
 ふ〜ん。
 ……まぁ、確かに見た目だけを見ると、普通の高速戦闘ゾイドに見えるけど――そうじゃないんでしょ?
 はい、故意に低く見積もられていると思われる情報や、考察しがいのある開発経緯など、とても楽しめる機体になるかと。
 ――では、まずは機体から見て行きましょうか。
 まず、エナジーチャージャを実装している事から本考察対象はZAC2109年以降に生産されたゾイドと推察できます。
 そして、その外見から判る通り、シンプルな機体構築に単純明快な武装。
 高速ゾイドの基本系をそのまま表した様な中型高速ゾイドであり、戦闘・離脱時にエナジーチャージャーでブースト出来る以外は凡庸な機体として登録されております。
 ガイロス帝国系のメーカーが随分前に作ったとされる機体とコンセプトは似てるよねー。
 (某氏製造の狼中型高速ゾイド。残念ながら本HPには登録されず(涙))
 えーと、確か……製造コストは第3〜第4世代機並みだけど、戦闘時のみブーストで底上げして第5世代機として見なせるようにする機体だったけ?
 ……その機体は構築に第5世代機の要素を積んでいないが故に恐ろしい(=対費用効果が凄い)のであり、第5世代機と判断される要素(=エナジーチャージャー)を積んでいる以上、コスト差で敵わない筈ですが――。
 まぁ、動かし方は似ていますね。
 さて、少し話がずれてしまいましたが――このカタログスペックでの問題点は、評価が不当に低く記載されている可能性がある事です。
 考察対象のエナジーチャージャーは戦闘開始から離脱に至るまで稼働している事を想定している事から、比較的長時間稼働させる事が出来る物と推察できます。
 その条件を踏まえた上で、疑問になって来るのが――考察対象の主兵装である二連装レールガンです。
 これがただの実弾砲であったのであれば宝(動力炉)の持ち腐れと言い切れたのですが――。
 レールガンは電力負荷を上げてあげれば、砲身寿命と引き換えに驚異的な威力を発揮する事が可能となる武装です。
 そういえば、ネオゼネバス製の標準エネルギー兵器も、エナジーライガーに乗せるだけで威力が凄い事になったって噂というか、逸話があったっけ。
 その通りです。
 ……つまり、要約すると――この火砲、コマンドウルフと同等なんていう生易しい事にはならないかと。
 つまり、某機動兵器Zのメッサーラの様に、これは限定条件の値――考察対象の場合にはエナジーチャージャーを使っていないとか――であり、本当は凄い、と。
 恐らくは。 
 ――では、次に開発経緯の方に移りましょうか。
 ネオゼネバス帝国に関係する機体を製造していたB−Croc社ですが……どんな経緯があったのか、第2次大陸間戦争後、これまでの同国との協調路線から離れた行動を取り始めます。
 それが明確な形となって表れたのがこの考察対象であり、所属国家にネオゼネバス帝国が入っていない事実から、B−Croc社の独自設計機である事が予想されます。
 重ねて、考察対象は当初はヘリック共和国に対して導入計画を結ぼうとした経緯から、同社は同帝国の国営企業状態から完全に脱した(※)と考えられます。
 (※)の補足だよ〜。
(エナジーチャージャーという最重要国家機密を扱っていた経緯からそう思考していたよ〜)
 ――しかし、この段階でとても大きな問題が発生します。
 …………あ、エナジーチャージャーが共和国に渡りそうになってる。
 その通りです。
 ……判りやすい状況を本HP内に置き変えて例えるなら――ウェシナ、延いてはアルバの優位性の象徴であるスカイクラウ21(古代種)を敵国であるガイロスに提供する様なものでしょうか?
 ――うふふふふふふ。
 プリゼア、死ぬ?
 ゼフィリアの意向とあらば、当機は全機能をゼフィリアに移譲する用意があります。
 ――ひぃ!? 私そんな事してないよっ!? というか、する気も無いよ!?
 と、そんな訳です。
 導入計画が急遽トルヴォスなる北方系の国家との独占契約に移行したのも、ネオゼネバス帝国からの相当な工作の結果と考えられますが――。
 これによって、恐らく同帝国とB−Crocとの関係は一気に劣悪にまで悪化したと考えられます。
 そうねー。
 たしかにさっきの例みたいな事をされたら信用なんて出来ないから……取り敢えず、私がされた場合には報復として首脳陣全員を暗殺して指導者を一新。
 その後どうするかは情勢しだいだけど……場合によってはそのまま関係を疎遠にするのが普通かな?
 …………。
 さて……では、最後に機体としての総括になりますが――。
 戦闘能力だけを見た場合、かなり強力なゾイドとなりますね。
 最高峰の高速ゾイドであるエナジーライガーに迫る機動・運動性を保持しつつ、高速ゾイドの装甲ぐらいなら容易く抜ける火器を装備している事から、高速ゾイドとしての性能に文句はありません。
 一応、補足だよ〜。
(当然、考察対象の装甲も無きに等しい為、反撃が当たれば即終了となる訳だから……エナジーライガー以上という訳ではないよ〜)
 次の仮想敵としてゴジュラスギガを挙げますが――その機動・運動性能の高さらか、単独でも負けこそありませんが火力が無い為に撃破に至るのも難しいです。
 ……まぁ、生産コストの観点から考えれば、1体に対しして複数機を動員できますので――2〜3機でボコれば関節部等の弱点にダメージを与えられ、被害無しでの撃破も見えてきますが。
 そして、本HP査定で第4世代機のゴジュラスギガ相手に負けが無い訳ですから、最低でも第4.5世代機である事は確定となります。
 けど、戦闘機動時だけとはいえ、中型ゾイドの細いフレームでエナジーチャージャーの大出力を支えられるの?
 ほら、ラフィーがよく言う「保守が面倒ー」とか「フレーム全交換ー」とかが必要なんじゃないの?
 多分、必要でしょうね。
 ――そういった理由から、比較的安価な導入費で莫大な戦力を獲得できますが、平時の訓練ですら莫大な維持費の掛かる金食い虫である為、早期に戦争吹っ掛ける場合以外に導入するのはお勧めしません。
 …………?
 訓練の時はエナジーチャージャーを使わなけれ――あ、そっか、使ってないと「いざ」って時に動作不良になってる場合があるから、訓練でも使わない訳にはいかないんだ。 
 そういう事です。



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