機体考察:プレデクター

 B-Croc社製ブロックスゾイド、プレデクターの考察を開始します。
 ……顔を横下面以外から見ると、パテっぽさが見えてしまうのが少し残念ですが、外観と設定がうまく調和した良い機体ですね。
 ――ラフィーア、この場では相応しくない単語が混ざっていましたが?
 ――っは!?
 …………。
(この前の保有者権限移譲パンチの副作用かなー)
 ――失礼しました。
 ……では、改めまして考察を開始します。
 先に感想を言いたいけれど――フィーエル、まずは説明。
 了解しました、ゼフィリア。
 ジェノヴェナトル よりも前に生産が開始されたゾイドである事から、ZAC2106〜ZAC2108年頃に完成した機体を推察できます。
 この時代において、各列強国が運用する小型ゾイドは――レブラプター、ハンマーロック、スナイプマスター。
 ――そして、最強機種としてガンスナイパー(※)が存在しております。
 (※)の補足だよ〜。
(後発のスナイプマスターは生産性と運動性能、そして装甲(これはほんの少し)で勝っているけれど、総火力、武装と機動力のバランス等でガンスナイパーが圧倒してるから、どんな状況でもガンスナイパーの方が強いんだよー)
 それらの運用状況を踏まえた上で考察対象を思考した場合、同機はガンスナイパーに比肩する高い火力を有しつつ、レブラプターを超える運動性能、そして他を圧倒する機動力を有しております。
 ちなみに、荷電粒子砲に関してはバレルの収納スペースが極端に短いと予想された為、牽制・撹乱用の広域閃光兵器として推察しました。
 尚、装甲に関してはB-Crocからも耐久性に劣るとの報告がなされておりますが、他の機体の装甲も同サイズの火力なら防げる可能性がありますが、それ以上であれば防護は不可能と考えられます。
 ――よって、取り立てた弱点にはならないと判断できます。
 そして、それらの性能から鑑みた場合、考察対象はこれら既存種を駆逐しうる攻撃型ゾイドとして考える事が可能であり、状況が状況であれば一国の主力機として運用されたと思考する事が出来ます。
 ですが、当時は対費用効果に優れた無人ブロックスゾイドの全盛期であり、生産数は今一つとなっております。
 そんなこんなで生産元のB-Crocの評価はあんまり高くないけれど――私的にはかなーり良い機体だと思うんだけど?
 意見が完全に合致するのは少し珍しいですが……同意します。
 少々古いゾイドですが――長らく主力機であったゴドスやイグアンの装甲があってない様なものだった事からも判る通り、重装甲化の難しい小型ゾイドは防御を捨てて機動・運動性に特化する傾向にあります。
 中型やそれ以上の大型はがたいが大きい分対衝撃性能も高く、装甲さえ抜かれなければ被弾しても致命傷にならない場合も多いですが……。
 小型だと、弾種によっては装甲が無事での中身がグダグダって事も多いからねー。
 レールガンとか爆発系とか特に痛いよねー。
 ……そんな実情を考え、考察対象は防御を捨てて機動・運動性に特性を特化させたと考えられます。
 それが正解だったと言う事はそのカタログスペックが示しているけれど――いくら優秀な機体でもコストや国の方針によっては日の目を見ない……。
 無人ブロックスなんて簡単に管制系を乗っ取れるから怖くもなんともないのに。
 ゼフィリア、貴女基準で思考してしまっては適正な戦力考察ができません。
 ――ですが、確かに不運な機体と言えるのは確かです。
 こちらの世界の話になりますが――。
 無人ブロックスの戦力的問題が露見し、従来の有人型小型ゾイドが見直された頃には GTラプター のようにそこそこ以上の機動・運動性を保持しつつ、大火力・高防御(※)も併せ持った機体が数多く試作されるようになります。
 またまた(※)の補足だよ〜。
 (ウェシナ基準では平均的な装甲と言われるゾイドだけど、他の国の基準だと小型ゾイドとは思えぬ程の重装甲だったりするよ〜)
 そして、そのような情勢であっては考察対象の様に機動・運動性を特化した機体では大火力の前に接近する事すらままならなくなり、たとえ得意の近接戦闘に持ち込めたとしても装甲を突破できる火器を保有していないが為非常に厳しい状況に陥ります。
 相手の機動・運動性は考察対象と同じ位だけど、相手の攻撃が当たったら考察対象はどんな物でも即終了。
 逆に考察対象の攻撃は格闘以外決め手にならない……ちょ〜っと厳しいねー。
 GTラプターは考察対象より20年近く後発の機体だからねー。
 ……比べるのは流石に酷だと思うよ?
 でも、GTラプター1機分の生産コストで考察対象は2機ぐらい造れそうだから――。
 国力が低かったり遮蔽物の多い山岳戦用としたりする軍隊では重宝しそうだよね?。
 確かに、森林地帯や山岳地帯等、隠れる場所が多い場所での戦闘に持ち込めば、重装甲・長射程の新鋭機に対して1対1でも勝算が見えてきます。
 ……運用国の1つであるトルヴォス国は非常に過酷な環境にある北国の筈ですので、そう考えれば大量導入している事も説明が付くでしょうか。



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