東方大陸に存在するB-Croc社の名を世に知らしめた大型ゾイド、ジェノヴェナトルの考察を開始します。 | |
ふ〜ん……。
ガイロスのジェノザウラーNEXTに似てるけど、関係あるの? | |
いえ、B-Croc社はネオゼネバス帝国寄りですので、設計の方向性は似通っていますがゼフィーが大嫌いなジェノザウラーNEXTとは無関係と考えられます。 | |
――え〜と……ジェノザウラーNEXTって何? | |
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――――。 | |
……では、まずはこちらの世界に置けるジェノザウラーの経歴からお話ししましょう。 | |
まず、一番最初に生まれたジェノザウラー……初期型のオーガノイドシステム(OS)をそのまま積んだ初期生産仕様――俗に初期型と呼ばれる少数生産された高性能仕様が『A1』型です。 | |
周知の通り、OSの黎明期に製造されたゾイドだけあってOSがどういうものかよく判らずに運用した為に事故が多発した機体ね。 | |
はい、高性能仕様と言われるだけあって性能こそ抜きん出て素晴らしかったのですが……。
とてもじゃないですが量産機としての運用が難しいゾイドでもありましたので、OSを含めた各部を再調整し、量産機として運用できるようにしたのが『A2』型です。 | |
私も乗ってた初期型(A1)と比べると、殆ど同じ外見の子とは思えない程弱いよねー。 | |
たしか、ぶっちゃければデチューンなんだっけ? | |
そうですね……その大出力を支えるOSがかなり制限されていますからね。
単体の機体性能だけを取れば、おそらく最弱のジェノザウラーと言えるでしょう。 | |
あ、補足〜。
(ここまでのジェノザウラーは、当HP査定では第2世代機に分類されるよ〜) | |
そして、この頃のゾイド開発競争は凄まじいの一言ですからね、A2が主力として運用されてから間もない頃、惑星Zi初の第3世代機であるエレファンダー(※)がロールアウト。
制限を加えられていた事もあり、A2は急速に陳腐化していきました。 | |
またまた補足〜。
(※:エレファンダーは第3世代機の指標の1つである完全野生体コアを運用していないゾイド(=第2世代機(OS搭載機)の技術をフィードバックした第1世代機)である為、その評価は違うという意見もあるけれど――。 A1に勝るとも劣らない戦闘能力を持ちつつ、第1世代機並みの稼働時間を有する為、本HPでは第3世代機と認定してるよ〜) | |
当然、ジェノザウラーの潜在能力を知る人材がそんな状況を黙って見過ごす筈がなく――。
ライガーゼロの名が世に知れ渡る頃、同機の『A3』型への更新が始まりました。 | |
OS搭載機である為に第3世代機と比較して稼働時間では劣りましたが、対費用効果で勝るA3はバーサークフューラー等の新鋭機がまともに配備されないガイロス帝国軍の主力として運用が続けられました。 | |
――更に時代は進みまして第2次大陸間戦争末期頃。
台頭するネオゼネバス帝国製の第4世代機に対抗する為、ガイロス帝国が少ない予算と限られた技術によって基本設計から大幅な見直しを加え、第4世代機として生まれ変わらせたのが『A4』型です。 | |
外観も大きく変わって、A1やA2、A3のどっしりとした安定性重視の構成(タカラトミー版)から、機動・運動性重視(寿屋版)になって、全体的に細くなったよねー。 | |
はい。そして、その外観の大幅な変更によってA4はガイロス帝国の敵国からジェノザウラーNEXTと呼称される様になり――。
対ネオゼネバス戦線での着実な戦果とその性能、整備性等から徐々に最高の第4世代機と謳われる様になり、そのA4に対してバックパックの変更による拡張性を加えたのが『A5』型です。 | |
最近(ZAC2124年)にガイロスが運用している奴はだいたいこのA5ね。
――北エウロペで捕捉したら逃さず潰しているけど。 | |
…………。 | |
――さて、ここからが本題となりまして……考察対象の開発経緯です。 | |
上でも述べた通り、ジェノザウラーNEXTはガイロス帝国が独自に開発した機体であり、ネオゼネバス帝国が運用していたジェノザウラーはA3止まりでした。 | |
当然、ネオゼネバスの優れた技術力により、A3同士の戦闘に置いてはガイロス帝国仕様を上回る性能を実現していましたが――。 | |
流石にA4以降の機体に対しては優位性を保つ事が出来ず、ネオゼネバス仕様のA3は徐々に第1線から離れて行きました。
考察対象はそんなネオゼネバス仕様のA3を更新するべく計画された機体であると推察され、ガイロス帝国のA4やA5以降とは系譜が明確に異なるゾイドであると考えられます。 | |
ふ〜ん……。
フィーエル、機体説明。 | |
了解しました、ゼフィリア。 | |
――最初に挙げられる変更点は、運用仕様の変更に伴うゾイドコアの変更です。 | |
ティラノザウルス(T-REX)型からメガロサウルス型に変更――。
これによってベース機であるA3と比較して頭部と腕部が大きく変更されておりますが、開発・研究が進められていた頃は世界的に機動・運動性能重視の風潮があった為、それ以外の外観はガイロス帝国のA4やA5と似通っています。 | |
兵装に関してはA5のようなハードポイント式の兵装を採用しており、2つあるハードポイントの其々に様々な兵装を装備する事によって高い応用力を獲得する事を狙い、荷電粒子砲のような広域兵器こそ保有していないものの高い汎用性を保持する事に成功しています。 | |
また、機体側面には防御兵装であるチタンプロテクトシールドが装備されておりますが、これは考察対象の旋回性能が優れているが故の配置と予想され、危機的状況に陥った際、身を翻す事によってによって被弾時の損傷を大きく軽減する意図があると推察できます。 | |
これらの事から、考察対象は1対1の直接戦闘ではA4に対してはかなりの優位性があり、バックパックによって若干の変動があるものの、A5に対しても比較的優位に戦闘を展開できると考えられます。 | |
しかし、それら2機種と比較し、広域兵器である荷電粒子砲を装備していない為、汎用性では劣ると予想されます。 | |
なお、考察対象がOSを導入しているかは不明となっておりますが――操縦性に優れるとの記述がある事から、不採用とした可能性が高いと推察します。 | |
攻勢であっても守勢であっても、広域兵器は使えるからね〜。
……あれ? でも、そうだとすると後発機なのにどうして考察対象は荷電粒子砲を持ってないの? | |
内部構造の全てを機動・駆動系に宛てる事で、素体の性能――大出力ジェネレーターや出力特性の高い大型駆動システム等の実装――によって、機動・運動性能を重視したと考えられますが……。 | |
他にも、ガイロス帝国はA5を軍の主力機と置きましたが、ネオゼネバス帝国はセイスモサウルスやエナジーライガーと言った第4.5〜第5世代機を主力機としていたという在り方の違いが大きいと考えられます。 | |
他に主力機の居なかったガイロス帝国は『対大型までの駆逐』、『広域兵器による戦域支配』、『中・小型ゾイド等の護衛』といった大型ゾイドが成さなねばならない事の全ての機能をA4に集約し、その結果としてA5という最高の第4世代機が完成しました。 | |
それに対し、ネオゼネバス帝国は既にこれまでの常識を超える量産機体を2機種(※)運用しており、その2機種が出来ない事をする機体を模索していました。 | |
(※)の補足だよ〜
(圧倒的な戦域支配能力を持つセイスモサウルス(第4.5〜第4.8世代機)と驚異的な対大型ゾイド駆逐能力(と言うより側面攻撃能力)を持つエナジーライガー(第5世代機)) | |
つまりは――セイスモサウルスや中・小型ゾイドの護衛、もしくはセイスモの支援の下で真正面から敵の機甲部隊とぶち当たってエナジーライガーが突入する隙を作る機体ね。 | |
その通りです。
そうして求められたのが対単一戦力に対して優位な戦闘を展開できる機体――この考察対象と言う訳です。 | |
なるほどねぇ……。
――所で、B-Croc 社ってなに? | |
本考察対象の設計を行った開発元との事ですが――詳細な立ち位置が良く判りません。
……恐らくはネオゼネバスの国営企業の様な立ち位置なのでしょうか。 |